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ヴォーカリーズとは?歴史やスキャットとの違いなどを解説

ヴォーカリーズとは

ヴォーカリーズとは、ボーカルを取り入れたジャズ楽曲のソロ演奏を鑑賞する形式です。 この音楽スタイルの語源は「ヴォーカル」で、もともと器楽曲や即興曲の一部だったメロディーを歌詞にしたものです。 ジャズ評論家のレナード・フェザーは、ランバート、ヘンドリックス、ロスのアルバム「Sing a Song Basie」の楽曲を説明するために、この言葉を用いました。 彼は、その楽曲のオーバーダビングについて、「カウント・ベイシー・オーケストラのホーン・セクション全体の代わりに、3人の歌手の声を使っている」と説明しています。 ヴォーカリーズでは、既存の楽器ソロに合わせて、あらかじめ書かれた歌詞を当てはめることが特徴です。

ヴォーカリーズの発明者と有名なパフォーマー

ヴォーカリーズの発明者であり、数多くの作品を生み出したエディ・ジェファーソンは、コールマン・ホーキンスの「ボディ・アンド・ソウル」のソロを取り入れて歌い、ヒットさせました。 最も有名なヴォーカリーズのパフォーマーとしては、デイヴ・ランバート、ジョン・ヘンドリックス、アニー・ロスの3人からなるランバート、ヘンドリックス&ロスが挙げられます。 ヴォーカリーズにおいては、シラブル唱法(一音節一音高)で歌うケースが多く、特にビバップの楽曲などでは、多数の単語を素早く歌唱することが求められる場合があります。

スキャットとの違い

ここで、スキャットとの違いを見てみましょう。 スキャットはナンセンスな音節を取り入れた即興の歌唱であり、たとえば「doo wap ba dee do wap」のように意味を持たない音を使います。 この音節をスイングしながら歌うことで、そのスタイルを表現します。 一方、ヴォーカリーズは既存のソロを元に歌詞をアレンジし、歌に仕立てている点でスキャットとは異なります。 実際にエディ・ジェファーソンは、コールマン・ホーキンスの「Body and Soul」を題材にしたことで知られています。 コールマン・ホーキンスの原曲を聴き、エディがどのように歌詞を付与し、独自のアレンジを施したかを知ることで、両者の違いをより深く理解できます。

このジャンルのパイオニアとグループ

このジャンルのパイオニアとしては、キング・プレジャーズやバブ・ゴンザレスなどが挙げられます。 当時、ジョン・ヘンドリックス、デイブ・ランバート、アニー・ロスで構成されたランバート、ヘンドリックス、ロスは、このスタイルを積極的に取り入れました。 さらに、ボブ・ドロウ、ジャンコモ・ゲイツ、カート・エリング、アル・ジャロウ、マーク・マーフィー、ロジャー・ミラー、マンハッタン・トランスファー、テイク6なども、ヴォーカリーズのパフォーマーとして知られています。 Slim Gaillard、Harry Gibson、Cab Calloway、Leo Watson といったアーティストは、ヴォーカリーズとスキャットを融合させた演奏でも有名です。

1980年代以降の展開

1980年代以降、ヴォーカル技術やアレンジの進歩により、新たな段階へと進んでいきました。 ニューヨーク・ヴォイセズやベイシックスなど、アカペラに近いスタイルを取り入れたグループも生まれています。 世界的な音楽シーンの発展とともに、ヴォーカリーズはジャズだけのものではなくなり、多様な音楽ジャンルに取り入れられるようになりました。

ヴォーカリーズの別見解

インド古典音楽において、alankar(アランカール)と呼ばれる伝統は、発声練習やメロディー歌唱に用いられてきました。 「ヴォーカリーズ」という語は、既存の楽器による即興演奏の上に、新たな歌詞を載せて歌うジャズ・ボーカルの手法を指します。 したがって、言葉のない即興演奏であるスキャット・シンギングとは異なり、ヴォーカリーズはあらかじめ歌詞が存在する点が重要です。 1950年代のビバップ・シンギングから生まれ、当初、一部の歌手が有名な楽器のソロを人間の声で模倣し始めたことをきっかけに広まりました。 その後、エラ・フィッツジェラルドやアニー・オークリーなどの活躍によって1960年代にピークを迎えたといわれています。

ジャズ作家による用法と歴史

この言葉は、ジャズ作家がマイルス・デイビス、マイルス・アームストロング、ジョン・コルトレーン、ビル・クロイツマン、さらに故ビリー・ホリデイなどの歌唱スタイルを表す際にも使われることがあります。 また、アームストロングやキャブ・キャロウェイらの録音によって、スキャットはジャズ・モダンの象徴となりました。 これは、シンコペーションや即興などを通じて、ジャズをヒップな音楽として確立させる原動力の一端を担っています。 歌手が声を楽器として用いることで、メロディーやリズムを自由に即興できるようになり、ジャズならではの表現の幅が広がりました。

表現の自由と即興

ジャズの歌唱は、歌の形式を超えた表現の自由を重視するイデオロギーを体現しています。 スキャットによって、ジャズシンガーは言葉の意味にとらわれることなく、音そのものを追求することが可能になります。 そのため、ボーカリストは他のどのジャンルにもない「ソロ楽器奏者」の地位を獲得し、言葉よりも音楽的意味に重きを置くようになります。 エラ・フィッツジェラルドが「フライング・ホーム」で見せた華麗なスキャットや、メル・トーメによる「Autumn Leaves」のスキャットは、そうした自由な即興の素晴らしい例です。

クラシック音楽との関連

クラシック音楽の世界では、メリスマと呼ばれる手法があり、これも単一の母音を持続させたり装飾を施したりする点で、ジャズにおける即興的要素と通じる部分があります。 ラフマニノフの「ヴォカリーズ Op.~」は、言葉を使わず母音だけで歌う楽曲として有名です。 また、20世紀に入りマリアン・アンダーソンなど限られた声楽家がアルトサックスのように声を表現した例もありますが、これは次第に衰退していきました。 1982年に設立された声楽団は、モーツァルト、ベートーヴェン、バッハなどの楽曲を取り上げ、毎シーズン聴衆を楽しませています。

現代の作曲家とアンサンブル

グリーンステインはニューヨークを拠点に活動する作曲家で、yMusicなどのニューミュージック・アンサンブルのためにも多くの作品を手がけています。 歌手のボビー・マクフェリンは、合唱の大アンサンブルに自身の歌唱スタイルを融合させました。 彼は、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴ、ロンドン、ニュージャージーなど各分野で活躍するプロのシンガーを集め、「ヴォイチェストラ・アンサンブル」と呼んで活動しています。 こうした手法では、一見すると意味のある言葉のように聞こえるフレーズも、実はナンセンスな音節を用いています。 ヤン・シャピロは、ボーカル・ジャズの歴史をその起源から現代に至るまで紹介しており、ジャズボーカルがいかに発展してきたかを理解する上で貴重な資料を提供しています。

ジャズにおける歌唱形態

私たちが知る現代のジャズには、歴史上数多くの個性的なシンガーが影響を与え、その表現手法を定義してきました。 他ジャンルの歌手がジャズを取り入れる際にどのようなアプローチが可能か、また何がジャズ特有の歌唱表現なのかを知ることは、ボーカリストにとって大きな意味を持ちます。 本書には、ジャズの歴史と歌唱法に焦点を当てた特別寄稿や、ジャズ音楽の発展におけるボーカルの役割について解説する章が掲載されています。

alankar(アランカール)の伝統とヴォーカリーズ

インドの古典音楽におけるalankar(アランカール)という発声練習の伝統は、メロディーの歌唱を豊かにする技法として古くから受け継がれてきました。 そのため、スキャットのような即興による無言歌唱とは区別されます。 英語の接尾辞「vocalese」は、既存の楽器による即興演奏をもとに、新たな歌詞を作って歌うというジャズボーカルの一形態を表しています。

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