【曲・上手い人の例あり】歌のフェイクとは|意味・やり方・練習方法

歌のフェイクとは

歌のフェイクの意味

フェイクとは、歌の原曲のメロディやリズム、音程などを変えて歌う手法のことです。

原曲を真似て歌うことから、「模倣」という意味で使われます。

原曲のメロディやリズムを自分流にアレンジできるため、より自由で情感豊かな音楽表現が可能となる手法です。

フェイクとアドリブの大きな違いは、オリジナルのメロディーがあるかないかです。

アドリブとは、即興で作った曲を自由に歌うこと。

例えば、その場で思いついたメロディーを弾いたり、間奏や曲の最後に歌を入れたりするのがアドリブです。

一方、フェイクとは、既存の曲のメロディーを意図的に崩したり、アレンジしたりして表現することです。

フェイクとスキャットの違い

歌のフェイクとスキャットは、どちらも即興的な歌唱技法の一種であり、似たような音楽用語として使われることがありますが、本来は異なる技法です。

フェイクは、既存の曲の旋律に合わせて、歌詞やメロディーをアドリブで加えたり、アレンジしたりすることを指します。つまり、既に存在する曲の音楽的な枠組みに基づいて、自由に歌詞やメロディーを付け加える技法です。

一方、スキャットは、意味のない音節やフレーズを即興で歌うことで、楽器のように演奏することを目的とした技法です。スキャットは主にジャズやブルースなどの音楽で使われることが多く、人声を楽器のように扱い、楽器との対話的な演奏ができるようになることが目指されます。

したがって、フェイクは既存の曲に自由にアドリブを加える技法であり、スキャットは人声を楽器のように扱い、即興で歌う音節やフレーズを通じて、対話的な演奏ができるようにする技法です。

スキャットとは

フェイクのやり方

初心者の方は、まずプロの方の真似をして練習しましょう。

目標とする歌手の物まねを繰り返し練習することで、その歌手のフェイクやフィーリングがどんどん身についていきます。

オリジナルのフェイクから入るのは難しいですが、プロの真似から入るとわかりやすく、自然とテクニックが体に染み付いていきます。

フェイクをマスターするためには、まず音の高さを捉えることが大切です。

YouTubeで再生速度を0.5倍程度に遅くしたり、アプリを使って音程を確認しながら練習するのがおすすめです。

難しく感じるかもしれませんが、音程を捉えることはフェイク上達の第一歩なので、何度も練習して頑張ってみてください。

フェイクは、母音を確認してしっかり追えるようになると、かっこよく見えます。

同じ「o」の音でも、「a」に近い「o」や「e」と「u」の真ん中にある「o」など、微妙に母音が変化することがあります。

アーティストの奏法を繰り返し練習したり、再生速度を遅くしたりして、母音を確認しましょう。

コードの感覚をつかむと、フェイクが効くようになります。

コードの感覚は、ピアノやギターなどの楽器を演奏したり、音楽をたくさん聴いたり歌ったりすることで身につけることができます。

この感覚を持っている人は、コードに合わせて即興でメロディーを作ったり、歌ったりすることができます。

ピッチチェンジのフェイクも作曲に近いので、コードの感覚を身につけることはとても大切です。

フェイクを上手く入れられるようになるためには、ピッチシフトの練習をすることも大切です。

ピッチシフトの練習は、鍵盤で弾いた音を素早く切り替えることを意識して出すトレーニングがおすすめです。

最初はゆっくりしたテンポで、慣れてきたら徐々にスピードを上げていきましょう。

音程に自信のない方は、自分の声がどの音を出しているのかがわかる「ボーカルチューナー」を使ってみてください。

フェイクのコツ

自分の頭の中でイメージできない音は出せないので、まずはいろいろなフェイクを聴いてみることをおすすめします。

いろんなアーティストの曲を繰り返し聴いて、「どんな時にどんな音を入れるのか」を覚えていくことで、どんどんイメージが固まっていきます。

その上で、自分の中で雛形となるようなフェイクを見つけることができれば、いつでもそれを使うことができるようになるはずです。

次に、フェイクのパターンをどんどん増やしていきましょう。

上手なフェイクとは、いかにパターンを熟知しているかということでもあるのです。

パターンを知れば知るほど、自分で使えるバリエーションが増えます。

音がイメージできるようになると、「この曲にはこういうフェイクがかっこいいな」と、曲に合わせたアレンジができるようになります。

いろいろな曲を聴いてパターンを増やしたら、オリジナルのフェイクを使って歌ってみましょう。

ある程度自分のバリエーションがあるはずなので、それを組み合わせながら自分だけのオリジナルを作っていきましょう。

オリジナル曲が歌えるようになると、さらに自分の個性や世界観が表現できるようになります。

最初は「ちょっと違うかも」と思っても、繰り返しているうちにしっくりくるフェイクが見つかるはずです。

フェイクの練習方法

歌のフェイクは、歌手が意図的に声を揺らすテクニックで、リズムやアドリブなどに効果的に使われます。フェイクは練習によって上達するものであり、以下のような方法で練習することができます。

  • 音程を正確に歌う練習をする:フェイクは、音程を自在に操ることが前提となります。まずは正確な音程を歌えるようになることが重要です。音程が安定するよう、長い音を長く伸ばすことで練習しましょう。
  • 音の揺らし方を練習する:フェイクは、声を揺らすことで表現されます。まずは、一定のリズムを刻みながら、音の揺らし方を練習しましょう。同じリズムで、小さく揺らしたり、大きく揺らしたりして、自分の声を自在に操れるようになると良いでしょう。
  • 様々な音階やコードを練習する:フェイクは、音階やコードに応じて、音を揺らす方向性が変わります。そのため、様々な音階やコードを練習し、どのように声を揺らすかを体感することが大切です。自分の得意な音階やコードだけでなく、苦手なものにも積極的にチャレンジしましょう。
  • 聴き取りをする:フェイクは、聴き取り能力が鍛えられることで上達します。ミュージシャンの演奏や、歌手のフェイクを聴き、どのような音程やリズムで声を揺らしているのかを分析することで、自分の歌に取り入れることができます。

以上のように、歌のフェイクを練習するには、正確な音程や音の揺らし方を練習することが大切です。また、様々な音階やコードを練習し、聴き取り能力を鍛えることで、フェイクを自在に操ることができるようになるでしょう。

フェイクを使う曲・上手い人の例

清水翔太「花束の代わりにメロディーを」

フェイクを活用している邦楽アーティストの代表格といえば、清水翔太。

主旋律でも、かなり細かくフェイクを活用しており、歌の上手さが一目瞭然です。

フェイクのバリエーションを増やしたい方は、清水翔太のライブ映像をたくさん見ておくと良いでしょう。

MISIA「BELIEVE」

日本の音楽界を代表する女性アーティストといえば、MISIA。

曲によって、ストレートに歌い上げるものと、フェイクを多用するものとに分かれます。

フェイクを入れすぎると曲が野暮ったくなってしまいますが、MISIAはフェイクのバランスが絶妙だと感じます。

Boyz II Men「On Bended Knee」

語尾や、間奏でたたみかけるようなフェイクは、とても参考になると思います。

そうやって歌われる曲をたくさん聴くことが、歌が上手になる近道だったりします。