歌のハミングとは|歌が上手くなる方法・効果

ハミングとは

ハミングとは、声を出さずに口を閉じて歌うことです。通常の発声と違い、ハミングをすることで鼻声の音を出しやすくなります。

また、喉への負担が少ないため、ボイストレーニング前のウォーミングアップとしてもおすすめです。ハミングを本格的に取り入れることで、クリアで美しい歌声が出せるようになります。ハミングの感覚を維持しながら歌えば、喉の強さをうまく調整することができるからです。ハミングには様々な練習効果が期待でき、歌の初心者から上級者まで多くの人が実践しています。

ハミングで歌が上手くなる方法

ハミングは、シンプルかつ効果的な発声練習で、様々な方法で歌の上達を助けることができます。ここでは、ハミングが歌唱力アップに有効な理由をいくつかご紹介します:

  1. 発声のウォーミングアップ: ハミングは、歌唱のための声帯の準備を整える穏やかなウォームアップ運動です。ハミング中に発生する振動が声帯の血流を刺激し、緊張や怪我のリスクを軽減します。
  2. ブレスコントロール:ハミングは、安定した空気の流れと息のサポートが必要です。ハミングを練習することで、歌唱時の音程や音質を維持するために不可欠なブレスコントロールをより良くすることができます。
  3. トーンプロダクション: ハミングは声帯の閉鎖を促し、クリアで響きのある音色を出すのに必要なものです。定期的に練習することで、全体的な音作りを向上させることができます。
  4. 共鳴: ハミングは、顔、頭蓋骨、胸の振動の感覚に集中することで、健全な共鳴を促進します。これらの感覚を識別し、増幅することで、歌の響きを向上させることができます。
  5. ピッチの正確さ:簡単な音階や音程、メロディーをハミングすることで、音程に対する耳を養い、ピッチの正確さを向上させることができます。ハミングは、言葉や歌詞を歌うという複雑さを取り除くので、音程だけに集中することができるのです。
  6. リラクゼーション ハミングは、喉、首、顎の筋肉をリラックスさせるので、緊張を和らげ、より快適で効率的な歌唱法を促進することができます。
  7. ディクション(発音)とアーティキュレーション(調音): ハミングは言葉を発音するわけではありませんが、口腔の形や舌の位置を意識することで、歌うときのディクションやアーティキュレーションを向上させることができます。

ハミングを発声練習に取り入れるには、音階や聞き覚えのあるメロディーをハミングするなど、簡単な練習から始めてください。安定した空気の流れ、声帯の正しい閉鎖、リラックスした開放的な喉の状態を維持することに重点を置いてください。慣れてきたら、より複雑なエクササイズやパターンに挑戦してみましょう。ハミングはボーカルのウォームアップや練習に最適で、息のコントロール、トーンプロダクション、レゾナンスなどの主要なスキルを向上させ、より良い歌唱をサポートします。

ハミングの効果・メリット

口を閉じて発声するハミングは、通常の歌や会話のように言葉で表現するものではありません。メロディーを奏でるだけなので、正確な音程を意識しやすくなります。ピッチが安定しない人は、ピッチをコントロールする力を磨くことができます。

また、ピッチの誤差を見つけることができるので、実際に歌うときに軌道修正することができます。

ハミングをするとき、自分の声が鼻に響くのを感じると思います。これは「鼻腔共鳴」と呼ばれ、高音を出すための重要なテクニックです。ハミングは鼻腔共鳴の感覚をつかみやすく、繰り返し訓練することで、普段の歌唱でも共鳴させることが可能になります。高音が苦手な方にも効果的な練習方法です。

ハミングをするときは、鼻から一気に息を吸い込みます。お腹に手を当てると、息を吸うときにお腹が膨らんでいるのがわかると思います。この呼吸法が「腹式呼吸」で、歌唱力アップや息のコントロールに役立ちます。ボイストレーニングや歌の時だけでなく、普段から腹式呼吸を意識することをおすすめします。

鼻腔共鳴と腹式呼吸を正しく行うことで、声量がアップします。これは、喉に余計な負担をかけずに、吐き出す息の量が増えるからです。声量が少ないとお悩みの方は、ハミングの練習をしてみましょう。その都度録音して、声量の変化を客観的に確認するのも効果的です。滑舌が良くなりますよ。

ハミングを練習に取り入れると、滑舌の向上が期待できます。これは、鼻腔共鳴と腹式呼吸が連鎖的に作用した結果だと思われます。ハミングだけではこの効果は発揮されないので、他の効果も意識して練習する必要があります。舌を早く動かす早口言葉など、滑舌を良くするトレーニングも行うとさらに効果的です。

長時間のボイストレーニングは、のどを痛めたり、声がかすれたりすることがあります。これは、のどや声帯に負担がかかりすぎているためです。喉にダメージを与える可能性があるので、少しでも違和感を感じたらすぐに練習を中止しましょう。

また、鼻腔共鳴を習得することで、そのリスクを軽減することができます。

力強い高音を出すには、「ミックスボイス」と呼ばれるテクニックを身につけるとよいでしょう。ミックスボイスの練習方法は、一定の音程を保ちながら徐々にキーを上げていき、その感覚を覚えるというものなので、ハミングで鼻腔共鳴を取り入れることでイメージしやすくなります。

また、音程の安定性を高め、声を太くする効果も期待できます。

鼻腔共鳴とは

腹式呼吸とは

ハミングの練習方法

ここでは、正しくハミングを歌えるようになるための具体的な手順をご紹介します。慣れてくれば、特に意識しなくても自然にハミングを歌えるようになります。

ステップは4つあります。体の力を抜いて口を閉じる ・お腹から息を吸う ・鼻からゆっくり息を吸う ・鼻の響きを意識しながら「んー」と長めに発声する 一気に吐き出さず、一定のペースを保ってください。

ロングトーンで大きな声で歌うには、肺活量を鍛える必要があります。ハミングが安定したら、どれくらい続けられるか測ってみましょう。現在の持続時間がわかったら、より長くハミングすることを目指しましょう。途中で息を止めずに、一回の呼吸で一定の音量を維持することがポイントです。

今まで狭い音域で練習していた人は、低い音域から高い音域へと音域を広げることをおすすめします。得意な音域から離れることで、自分の苦手な音域を認識することができます。ハミングしにくい音域がある場合は、他の音と比較しながら原因を追究しましょう。

また、特定の音をハミングすることで、音程を把握する能力が向上します。

広い音域をスムーズにハミングできるようになったら、練習してきた曲に合わせてハミングしてみましょう。

このとき、ハミングの感覚だけでなく、正確な音程を意識することが大切です。録音しておくと、練習では気づかなかったミスや音程のズレをキャッチすることができます。歌詞を意識して、感情を乗せると表現力が身につきます。

思い通りのハミングができたら、鼻腔共鳴などのテクニックを意識して、常に鼻と口の奥に響く感覚を保つようにしましょう。感覚がつかめてきたら、実際の歌唱トレーニングに進みます。ハミングと歌を交互に行い、喉の使い方や呼吸のコントロールに磨きをかけることで、しっかりとした声を出すことができるようになります。

ハミングのコツ

ハミングで特に意識するのは、「マ」と「ナ」の発音の違いです。「マ」と「ナ」では、舌の動きや口の中の空気の量に違いがあります。「マ」は空気を含んだ音、「ナ」は鼻にかかった音です。

実際に「マ」と「ナ」を声に出して、口の中の状態を維持したままハミングに移行してみましょう。

鼻と口の奥が振動している感覚を掴んでください。低い音から高い音まで幅広く出すようにし、舌の動きを変えて振動を確認する。

このとき、「どこに振動が伝わっているか」を確認することが大切です。意識的に振動を伝えられるようになると、ピッチが安定します。

正しいハミングは、音だけが出ている状態です。ハミングを歌っているときに鼻の下に手を当て、過度に漏れている場合は声の大きさを調節してください。必要以上に大きな声でハミングすると、息漏れの原因になります。ハミングの適切な音量が分かれば、実際に歌うときも呼吸をコントロールしやすくなります。もう一つのコツは、腹式呼吸を意識することです。

ハミングがうまく歌えないという人は、体に余計な力が入っている可能性があります。落ち着いて練習できる環境を整え、リラックスすることを意識してください。体をリラックスさせることで、喉への負担も軽減されます。どうしても力が入ってしまう場合は、特定の音にこだわらず、自分の心地よい音程と音量でハミングすることをおすすめします。